エアリークテスターの技術資料3

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エアリークテスター・技術資料

◆ 技術資料 P.3        
 
3.検査方式と特徴
 ① 内圧・正圧測定型エアリークテスタ Hyper2000S
 ② 内圧・負圧測定型エアリークテスタ Hyper2000V
 ③ 内圧・正負圧兼用型エアリークテスタ Hyper2000S/V
 ④   外圧・カプセル式エアリークテスタ Hyper2000G, Hyper2000G/NT
 ⑤   部分リーク検出式エアリークテスタ Hyper2100
 ⑥   流量検出式エアリークテスタ Hyper2200
 ⑦   外圧・カプセル式小容量リークテスタ Hyper2300
 ⑧   直圧式エアリークテスタ Hyper2400

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3.検査方式と特徴
 
 Hyper2000をベースにした色々な測定方式がありますので、その違いと特徴について説明します。
 
① 内圧・正圧測定型エアリークテスタ  Hyper2000S
 
 最もよく使用されている検査方法。検査ワーク内部に正圧を充填し、安定時間を取った後、マスターチャンバー内の圧力と検査ワーク内の圧力を比較(差圧検出)してリーク検査をします。検査圧力源、制御圧力源、マスターチャンバー、可変容量マイクロメータ、排気バイパス弁、通信機能等はオプション。
 
◆ 機器系統図001 Hyper2000S, V
 
1-1 検査圧力源は、検査圧力の範囲によって減圧弁の仕様が異なります。
 
1-2 マスターチャンバーは容量可変でMC-50, 100の二種類が標準であります。
 
1-3 可変容量マイクロメータは、感度を確認したり、後述の理論に従って検査ワークの体積を知り、実際のリーク量[cc/min]を計算するために使用します。
 
1-4 排気バイパス弁は、検査ワークに切削油や切り粉が付着している恐れがある場合に使用し、排気空気が計測器内を通過しないようにするために使用します。または、 容積が大きい場合、急速充填・排気させる目的で使用します。
 
1-5 通信機能は外部のパソコンへデータを送ったり、パソコンからの指令を受け取るためのものです。
 
1-6 APVA-A, Bの二つのバルブは、測定のために重要なバルブであり、熱的な影響を受けないようにエアパイロット式のバルブを使用しています。 


② 内圧・負圧測定型エアリークテスタ  Hyper2000V
 
 検査圧力が負圧のリークテスタであり、機器系統図001において、検査圧力源が負圧仕様、テスター内部のバルブが一部負圧仕様になっています。
 
 ◆ 機器系統図001 Hyper2000S, V
 


③ 内圧・正負圧兼用型エアリークテスタ Hyper2000S/V
 
 最初に負圧で測定し、次に正圧で測定するような場合、このような回路になります。
 
 ◆ 機器系統図002 Hyper2000S/V
 
3-1 同じ正圧で、二段の圧力で検査する場合、例えば最初に低圧測定、続いて高圧測定をする場合も、同様な回路になります。


④ 外圧・カプセル式エアリークテスタ Hyper2000G, Hyper2000G/NT
 
 ワーク内部に加圧できない部品を試験する方法です。例えば、密封するための容器や自動車のランプ・センサー類のような妨滴仕様の機器類等です。加圧シリンダー、可変容量シリンダーはオプションです。
 
  ◆ 機器系統図003 Hyper2000G
  ◆ 機器系統図004 Hyper2000G/NT
 
4-1 カプセルのシール確認が必要ない場合にHyper2000Gを使用する。 
 
4-2 加圧シリンダーの容積は、カプセルの容積、検査ワークの内容積などによって適正な値を選択します。
 
4-3 加圧シリンダーで加圧するのは、検査ワークに大洩れがある場合、減圧弁を用いた圧力源では、大洩れを検知できなくなるためです。
 
4-4 検査ワークに大洩れがある場合は、無い場合に比較して、カプセル内の圧力上昇は低くなるため、これを検査圧力確認用の基板内圧力センサで検知し、大洩れの有無を判断をします。
 
4-5 カプセルシールの確認をしたい場合にHyper2000G/NTを使用します。
 
4-6 カプセルのシールが完全かどうかをチェックするために、可変容量シリンダーを使用します。
 
4-7 全自動で検査ワークを搬送し測定する場合など、定期的に装置を止め、シールが完全かどうか確認する必要があります。手動シールチェックモードを設け、洩れのないワークを入れて、カプセルを閉じ、APV-A, Bを閉じて、可変容量シリンダーを作動させると、カプセル内の圧力が上昇し、その圧力を直圧で測定します。その圧力変化から、摩耗またはゴミ等が原因で発生するシール不良があるかどうかを判断します。


⑤ 部分リーク検出式エアリークテスタ  Hyper2100
 
 リークする場所が特定される場合、例えばチェッキ弁の検査などは、決まった場所だけ検査すればよい。そのような場合は、図のように測定場所を外部からシールし、内圧をかけて、シール部の圧力上昇があるかどうかを検出します。
 
  ◆ 機器系統図005 Hyper2100
 
5-1 この時、シールが完全かどうかをチェックします。図の可変容量シリンダーを作動 させ、圧力上昇を確認した後に、検査ワーク内部に加圧します。
 
5-2 検査ワーク側のマスターチャンバーは、圧力上昇の速度を調整するために使用します。
 
5-3 この時、差圧変換器の圧力測定側の反対側は大気解放でも測定は可能ですが、測定 中に室内の気圧が変動(外気の風、ドアの開閉)しても影響を受けないように大気と遮 断します。もう一つのマスターチャンバーは、バルブが閉まるときのわずかな圧力変 動を無くすために入れてあります。
 
5-4  熱バランスを取る必要がないため、非常に安定した測定ができます。
 


⑥ 流量検出式エアリークテスタ  Hyper2200
 
 良品でも一定のリーク量があり、差圧検出器、通常の圧力検出器でも測定が難しい場合に有効です。例えば、小さな穴の大きさを検査したいようなとき、穴が完全に開いてるか、一部が塞がっているかなどの場合です。層流管はオプションです。
  
 ◆ 機器系統図006 Hyper2200
 
6-1 機器系統図006に示すように、測定圧充填の管路に適正な層流管を入れ、その差 圧を測定することで、リーク流量が分かる。
 
6-2 穴の大きさを知りたい場合にも使用できます。         


⑦ 外圧・カプセル式小容量リークテスタ Hyper2300
 
  検査ワークの内部容積が非常に小さいと、Hyper2000G, G/NTでは検査が困難になる場合があります。それは、リークがあっても、充填・安定時間内に内部圧力が飽和し、検査時間内に差圧が発生しない、つまりリークを正しく検査できない事があります。このような時、Hyper2000の測定方法は有効です。
  
◆ 機器系統図007 Hyper2300
 
7-1 検査ワーク、マスター側のカプセル内に検査圧力を充填しておき、安定時間を取った後、検査時間の直前に、容積変化ユニットにより両サイドに容積変化を同時に与えます。
 
7-3 検査ワーク、マスター側のカプセルが同じ容積であれば、リークがあると差圧が発生し、確実に検出することができます。
 


⑧ 直圧式エアリークテスタ Hyper2400
 
 この場合は、Hyper2000の電子回路とパネルをそのまま使用し、外部に直圧センサとエアパイロットバルブによって構成して、直圧式エアリークテスタを構成します。